群馬県みなかみ町
子育て世代ワーケーション特色あるサテライトオフィス【取材日:平成30年8月31日】
開設から1年で650名がテレワークを体験!
豊かな自然を活かしたプログラムと都心からの好アクセスが魅力
群馬県の最北端に位置し、日本百名山として名高い谷川岳や利根川の源流、みなかみ18湯などを擁する自然豊かなみなかみ町。昨年(平成29年)6月にはユネスコエコパークに指定(別ウィンドウで開く)されました。上越新幹線を使えば、東京駅からわずか66分でJR上毛高原駅にアクセスできる立地も魅力です。
この町でふるさとテレワーク事業を活用して平成29年4月に開かれたのが「テレワークセンターMINAKAMI(別ウィンドウで開く)」。閉園した幼稚園を活用し、サテライトオフィスの定期利用や1泊2日お試しテレワークを始めとした、様々なテレワーク体験を提供しています。
今回は、みなかみ町(別ウィンドウで開く)総合戦略課戦略推進室の林市治氏と大川志向氏、テレワークセンターMINAKAMIを管理する富士ゼロックス株式会社(別ウィンドウで開く)の剣持伸哉氏と有馬慎一郎氏、そして施設運営を委託されている一般社団法人コトハバ(別ウィンドウで開く)の都丸一昭氏にお話を伺いました。
目次
1. 地方版総合戦略でテレワーク推進を掲げ、テレワークセンターMINAKAMIを設置
▲みなかみ町総合戦略課戦略推進室長の林氏(左)、同室戦略推進グループの大川氏(右)
―まずは、みなかみ町にテレワーク拠点を作った経緯をお聞かせください。
アプローチ方法を検討する中、これまでも一緒に地域づくりに取り組んできたコトハバの都丸さんから、ふるさとテレワーク制度を活用して高崎市でテレワーカー支援事業を行なっていることを教えてもらいました。
そこでサテライトオフィス誘致についても相談に乗っていただき、みなかみ町でも本制度を使って誘致事業を始めようと決めたんです。
▲富士ゼロックス公共第一営業部の剣持氏(左)、同営業部の有馬氏(右)
2. 川でテレワーク!? 多彩なプログラム展開で都心から人を呼ぶ
―テレワークセンターMINAKAMIではどのようなテレワークを提供していますか?
そのうち2社は都市部の企業で、日常的な利用というよりは、月に数回ペースで訪れるサテライトオフィスとして使っていただいています。
▲コトハバ 都丸氏
―テレワークの「お試し勤務」プログラムも提供されているとか。
例えば、谷川岳でも屈指の絶景を誇る一ノ倉沢へのウォーキングミーティングや、農家民泊、古民家サテライトオフィスでの合宿などです。
▲上毛高原駅から車で約60分。センターの会員に案内する秘密の場所
川に足を浸けながらPCに向かう写真はとても印象的ですね。
―センターの利用者はどんな方が多いですか?
▲ウォーキングミーティングの光景
例えば、ヤフー株式会社さんからは昨年はおよそ130名に利用していただきました。ヤフーさんは*「どこでもオフィス」制度やフリーアドレスを採用していて、場所にとらわれない働き方が浸透しているそうです。そのような社風と両立する形でオフサイトの密なコミュニケーションも促したい狙いもあったそうです。
(*月に数日の頻度で、オフィス以外の好きな場所で働くことを認める制度)
子育てママを対象にしたワーケーションプログラムの様子
―コトハバさんは高崎市で「子育てママへのテレワーク支援事業」をなさっていますが、テレワークセンターMINAKAMIでも同じような取組をされているのですか?
週末開催のパパ向けプログラムも用意しています。会社が休みの週末にパパと子どもで来てもらって、子どもとふれあう時間を持ちながらテレワークも体験できます。ママに自由な時間を過ごしてもらう狙いもあって、とても好評でしたよ。
―これまでの利用状況はいかがでしょう?
3. PR動画を5本制作&Yahoo! LODGEで100名超を集客!
▲テレワークPR動画からのキャプチャ画像。動画はここ(別ウィンドウ表示)から観ることができる
―集客のための広報活動はどのようにされていますか?
また、銀座にある群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家」で、都市部企業との交流イベントを開催しました。みなかみ町の取組や魅力を伝えるだけでなく、企業がサテライトオフィスに望むことやテレワークに対する考え方をお聞きして、情報交換の場を作ったんです。
▲Yahoo!LODGEでのテレワーク紹介イベント
昨年12月には、会場手配や社内周知をヤフーさんにも協力いただいて、ヤフー本社にあるコワーキングスペース「LODGE」でお試しテレワーク紹介イベントを開催したんです。
イベントで利用者に体験談を話していただいたのをきっかけに、今年の夏も新しい利用者が来てくださって、良い循環が生まれています。
4. 課題もあるけれど……非日常感が生むフランクなビジネスコミュニケーション
―多くの人がテレワークセンターMINAKAMIを訪れていますが、みなかみ町の魅力はどこにあると感じていますか?
▲大きなテントの中で仕事ができるオフィススペースも
仲良くなりたいパートナーやクライアントとの飲みニケーションも悪くないですが、温泉でのんびり話し合ったり、滝壺に飛び込んで遊んでみたりするのも楽しいですよ(笑)。相手の人柄をより深く知るきっかけになるからかもしれません。遊びと仕事を両立しながら、普段はできないコミュニケーションを行えるのは大きな魅力です。
テレワーク導入の進め方としては、まずは拠点を確保して、時間に余裕のあるときに都市部の仕事を地方でやってみるくらいの緩やかなアプローチが良いのではないでしょうか。
新幹線のおかげで緊急時に東京に戻るといった対応も容易なので、サテライトオフィス活用を試しやすい環境でもありますね。
―魅力の豊富なみなかみ町ですが、課題を挙げるならばどんなことでしょうか?
5. 「仕事」と「住まい」の両面からテレワーク支援を目指す
▲元々は幼稚園のお遊戯室。現在はイベントなど多目的に活用されている。脇にはオフィススペースもある
最後に、テレワークセンターMINAKAMI運営にあたっての今後の展望をお聞かせください。
―移住促進に関連した目標はいかがでしょうか?
みなかみ町で暮らしたいという人も何名もいらっしゃるので、短期的には生活拠点の確保に力を入れたいと思っています。町営住宅の空き部屋も活用して、週や月単位ではなく、年単位でお試し生活できる施設の整備をしていきたいと思います。
―本日はありがとうございました!
お問合せ先
みなかみ町役場 総合戦略課戦略推進グループ 0278-25-5004(直通)
富士ゼロックス株式会社 公共第一営業部
一般社団法人コトハバ(別ウィンドウで開く) https://www.cotohaba.com/
(参考)平成28年度予算補助事業の取組内容はこちら